リルケ


夕暮ははるか彼方からやって来る。
雪の降った静かな大森林を通って、
それから、夕暮は、その冬の頬を
すべての窓におしつける、じっと耳をすませながら。


すべての家が静かになる。
老人たちは肘かけ椅子のなかに物を思い、
母たちは 女王のようだ。
子供たちは もはや 遊びをしようとはしなくなり、
女中たちも もう 糸をつむがない。
夕暮は家のなかをうかがい、
家のなかでは みんなが外をうかがっている。