2005-03-01 リルケ 夕暮ははるか彼方からやって来る。 雪の降った静かな大森林を通って、 それから、夕暮は、その冬の頬を すべての窓におしつける、じっと耳をすませながら。 すべての家が静かになる。 老人たちは肘かけ椅子のなかに物を思い、 母たちは 女王のようだ。 子供たちは もはや 遊びをしようとはしなくなり、 女中たちも もう 糸をつむがない。 夕暮は家のなかをうかがい、 家のなかでは みんなが外をうかがっている。