電池もいらない。

おじいちゃんの5、6台あるカメラたちの中に
ペンタックスの凄く古いカメラがあって、
説明をしてもらうほどにとりこに。


全部手動。 だから、
電力がいらない。すごいと思う。
フィルムを手動で巻いてシャッターを押すと、
すごくいい音がする。
そして明るさもピントもシャッターの降りる
速さも全部自分で見て考えるから、
近くも遠くもわざとぼやかすこともできる。



ああ、だから写真ってこういうカメラで
撮り始めてはまる人がいるのかな。と。



なにかを撮ろうとするとき、
むつかしいけれど同時に心から楽しい。
他に何も考えてなかったことに気付く。
写真家ってことじゃなくて、抽象的にいって
そういう職業に就けたら
どんなにか素敵だろうと考える。



いつも気前がよくて優しいおじいちゃんも
カメラばっかりはもちろんくれずに、
また大切そうにしまってしまったから、
そうだな、せめて今度借りてフィルム
一つ分撮らせてもらおうっと。