ときどき、片仮名といふものは硬い物や書き辛い物に
字を刻むためにあるんじゃないかと思う。
削って、押しつけて、鋭い文字が残る。
あたしは片仮名が好きだ。
電報や昔の標語(「働カザルモノ食フベカラズ」等
見るととくべつ戦時って感じがする)に代わって今では
外来語のためにたいてい使われている片仮名
どちらも強い意味を持つことには変わりない。
この異様な感じが好きなのだと思ふ。



夢の怖い部分だけ覚えている
車か何かで山間のごつごつした崖状の道を
友達と走っていて
下を見ると泉なのか川なのか
水があって
ちらばって浮いている船の上に
戦隊ヒーローものや
バレエを踊る集団や
ミッキーが各々
乗っているのだけれど
よく見るとそれらはつくりもので
ありえない動きを延々と
がくがく続けていたり
雨風に打たれっぱなしのため
酷く破損していたりした
ミッキーに至っては
仲間達が直接水面に立って笑顔で
曇り空の一点をみているのに
彼だけ船の上で
ぐちゃぐちゃに壊れていた
顔は笑っていた